
野球部/「東北エンジョイベースボールプロジェクト」を開催!
CATEGORY:イベント 2025/06/26
<はじめに>
2025年6月26日(木)から27日(金)にかけて、野球部による社会貢献プロジェクト「東北エンジョイベースボールプロジェクト」が実施されました。金子大也君(経2)、安達英輝君(商2)、須藤周祐君(商2)、貞包健勝君(環2)が中心となって企画された本プロジェクトは、単なる社会貢献活動に留まらず、野球部のプレゼンスアップとともに、数多くの子供達の笑顔を生み出し、大反響の中で幕を閉じました。
このプロジェクトのルーツは、5年前に遡ります。当時アメリカンスクール・イン・ジャパンに在籍していた金子君が、高校時代にプロジェクトリーダーとして、東日本大震災で被災した大船渡市立立根小学校(岩手県)の子供達に対し、英会話を通じたメンタルケアを企画・実施しました。この活動が子供達の勇気と元気につながり、以来、交流が続いています。
今回は、野球部の初企画として、大船渡市立立根小学校及び、宮城県立気仙沼高等学校野球部へと活動範囲を広げ、「エンジョイベースボール」の理念の下、「東北プロジェクト」として実施されました。
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左から安達英輝君、須藤周祐君、金子大也君、貞包健勝君 |
<「エンジョイベースボール」が紡ぐ笑顔の力>
野球部の理念である「エンジョイベースボール」とは、単に技術を磨き、勝利を追求するだけではありません。野球というスポーツを通して、心の底から楽しむこと、そしてその前向きな気持ちが、あらゆる困難を乗り越え、成功へと導く原動力となるという教えです。東日本大震災及び今年2月の大船渡山林火災で深い悲しみを経験した子供達にこそ、この「エンジョイベースボール」の精神が、心から笑顔が生まれ、前向きに行動するきっかけとなると私達は信じています。今回の活動を通じて、子供達が心から野球を楽しみ、満面の笑顔を見せてくれた事こそが、このプロジェクトの最大の成果であると確信しています。
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立根小学校給食懇親会にて 慶應野球部クイズ大会で大盛り上がり |
気仙沼高等学校エンジョイベースボールの様子 |
<東日本大震災と山林火災、そして未来への教訓>
活動の合間を縫って訪れた震災遺構では、津波が生々しい爪痕を残す光景が広がっていました。当時の状況を肌で感じた参加者全員が、津波の猛威とその中で懸命に生き抜いた人々の姿に言葉を失いました。実際に死を覚悟した方から直接伺った体験談は、東日本大震災の悲劇と自然災害の脅威を深く心に刻み、防災意識を一層高める貴重な機会となりました。
また、2025年2月26日に発生した大船渡市の山林火災現場も視察しました。映像や報道では伝わりきらない、焼け焦げた木々から立ち上る匂いや、広範囲にわたる木の根元の黒い跡は、火災のすさまじい威力と、自然が受けた計り知れないダメージをまざまざと見せつけました。数ヶ月が経過してもなお残る焦げた匂いは、山林が回復するには途方もない時間を要することを痛感させ、山林火災の予防と、万が一発生した場合の迅速な対応の重要性を改めて認識する機会となりました。
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陸前高田市立気仙中学校跡の視察 |
<まとめ>
今回のプロジェクトで得られた学びは、野球部全員による報告会でも共有されました。東日本大震災および大船渡山林火災の事実を風化させず、一人でも多くの人々に語り継ぐことの重要性、そして仮に将来、何らかの災害に見舞われたとしても、日頃からの備えと意識で被害を最小限に抑えられるよう、常に心掛けることの大切さを改めて痛感しました。そして、多くの人々に語り継がれ風化させないことを、現地の方々が何よりも強く望んでいるということが、このプロジェクトを通じて参加者全員の心に深く響きました。
この記事を一人でも多くの方に読んでいただき、この活動について話題にしていただければ幸いです。野球部は、今後もあらゆる側面から社会貢献を意識し、活動を続けてまいりますので、皆様のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。